ブーケ介護事業グループ総取締役 田中孝枝様をお迎えして~社内勉強会を開催しました

ブーケ介護事業グループ総取締役 田中孝枝様をお迎えして~社内勉強会を開催しました

 

弊社ではスタッフの資質向上のため、定期的に社内研修会を開催しています。
今回は高松市内で介護施設を運営する、ブーケ介護事業グループの総取締役、田中孝枝様をお迎えしてご講話を頂きました。
職業人としての体験談、永年にわたる看護師経験で培われた人生観、経営者としての心構え等を語って頂きました。

 

新米看護師時代

 

私が若い頃は今のように研修・指導が行き届いていない時代、一人前の看護師になるためには先輩のやり方を「盗む」しかなかった。教えてもらってないことで失敗しても容赦ないおしかりを受け、泣きながら、苦労しながら一つひとつおぼえていった。

 

それでも看護師のやりがいは患者さんが日に日に良くなっていくこと。昨日より今日、今日より明日…、少しずつ病状が改善し楽になっていくその笑顔を見て、他の職業では得られない、かけがえのない喜び、幸せを感じていた。

 

中間管理職として

 

病院という特別な環境の中で立場が上がっていく過程で上下関係にも悩んだ。先生は特別な存在、病院のトップではあるが経営者としての勉強はされていない。

私が仕えた上司の個性もいろいろ。なかなかそりが合わない人に「こんな人には付いていけない…」、思わず愚痴をこぼしてしまったことも度々あった。

 

それでも人間関係を良くし、現場が一つにまとまらないと良い仕事はできない。悩んだ末に「この人をどうにかして好きにならなきゃならない、尊敬しないと仕方がない」と、見た目でもなんでもいいから人より優れているところを見つけて、無理やり好意を持つよう自分の頭を洗脳した。

悩みや苦渋の中での方便であったかもしれないが、人間関係を壊さないためにはそうするよりなかった。

 

経営者への転機

 

事務長兼看護師長として勤務していた病院が閉鎖することになった。

どうしても受け入れ先の見つからない8名の入院患者と、半年前に通告したもののこれから再就職先を探さなければならない職員を多数抱えてしまった。

 

そんな時、市内のある介護施設が休眠状態になっていることを聞き、そのオーナーに事業の再開と患者の受け入れをお願いしに行った。ところが意外にも、「それならあなたがやってみたらどうですか」との逆提案を受け、新たな展開になっていった。

 

なるほど、行き場のない患者さんと職員をその施設に移し、その施設で一緒に看てあげれば一度に悩みが解決する。でも自分にそういう経営者としてのリスクが取れるか。子供たちも独立して収入を得る必要は無くなっていたのでそろそろ引退の時期と思っていた矢先だった。いろいろ考えて迷ったが、「自分は儲けなくてもいい、職員と同じように働いて分かち合って仕事をしてみよう」と事業所を開く決断をした。

 

いま事業家になって

 

入所者やご家族に慰労、お褒めの言葉を頂くことがあるが、その一人ひとりの方々に実際に接しているのはうちのスタッフである。あくまでもスタッフが主役であり、彼らの努力の結果が現場にあらわれている。私は私の役割を演じているだけだ。

スタッフの皆が協力して、日々入所者の皆さんに誠心誠意尽くしてくれ感謝している。

 

また、そのスタッフ個々人もそれぞれのライフステージがある。いま小さな子供を抱えていて長時間働けなくても、やがては仕事に専心出来るときがやってくる。3年先、5年先、そういう長期的な視野で職員と関わりながら、働きやすい職場を創っていこうと思っている。

 

ところで、うちの施設は「尿臭」がしない。ほかの事業所と同じように入所者のおむつ等のお世話をしているが、来訪者からよく「どうしてここの施設は臭いがしないの?」と聞かれる。

それはスタッフ一人ひとりが日常の仕事を丁寧に、細やかな心遣いや工夫をしてくれているおかげで、そういう彼らの努力を心から誇りに思っている。

 

これからもスタッフと心を一つにして、入所者やそのご家族の皆様に喜んで頂けるようよりよいお仕事をしていきたい。

受講者感想文(抜粋)

 

・講師の先生のお話を聞いてすごく感動しました。私もこれからの日々で尊敬する心を常に持ちたいと思います。(メリーメイド担当者)

・どんな理由からでも人を尊敬するということに共感できました。メリーメイドでもスタッフみんなが尊敬しあっていいチームにしていきたいと思います。(メリーメイド担当者)

・先生のお話を聞いて、人と人とのかかわり、チームワークの大切さをあらためて感じました。(ビジネス・レンタル担当者)

・お話を聞いてすごく心が温かくなりなぜかわかりませんが本当に涙が出てきました。(ビジネス・レンタル担当者)

・先生のおっしゃった「ひとづくり」「絆」「尊敬」というキーワードを肝に銘じてケアスタッフさんと関わりの基盤を固めていきたいと思います。(ホームインステッド担当者)

・利用者さんに対する優しい気持ちやお仕事に対する一所懸命の心がお言葉の中にあらわれた素晴らしいご講話でした。職業意識を高く持ち、純粋にお仕事に取り組まれる真摯な姿勢にこそ、同じサービス業として相手様に満足感、幸せ感を持っていただける源泉なのだなあと深く心に刻まれました。貴重なお話、本当にありがとうございました。(橋本登)

田中孝枝様